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JOHNNYPARKというバンドでvo、たまにdjやります。現在は新潟在住

エレクトロニカについて

最近YouTubeのおすすめ欄がカオティックになってきた。あれって僕の趣味を理解してサッと好きそうな動画を紹介してくれるシステムかと思っていたんだが、「あー。これの関連動画はいらないんだがな…」と思うようなものも差し込まれてくるのでかなり参っている。

 

 

もう1週間も前のことになるが

東京に行っていた2日目、信頼する後輩が主催するDJイベントに出演してきた。

そのDJイベントというのが

エレクトロニカ

を中心に流すという趣旨のイベントだった。

 

エレクトロニカというジャンルはかなり説明に困るもので

ロックで言えばオルタナティブ

くらい掴みどころがない。

 

なんとなくのガイドラインはあるが、

iTunesエレクトロニカのプレイリストを開くとエレクトロニカ好きな人たちが聴くような楽曲は無かったりする。

 

それなのに今回のイベントに集まったDJ達にはある程度の共通認識があった。

イベントに出演したDJ達は僕も含めて多岐にわたる手法や世界観を持ちながら、ある程度のラインで

「これこれ!これが聴きたかったんだよ」

という瞬間をもたらし、そのたびに

 

「よしエレクトロニカ好きにとってこの曲はアンセムと言ってもいいんだな…」

と安心したりそれが外れたりと発見も多く

何よりソファに座ってひたすらに

 

「なんの曲かはおいておいて気持ちいい」

 

それが許される空間

「何の曲がかかるか」を取り沙汰されがちな現場とは切り離された、しかしラウンジ過ぎない丁度いい異物感。最高でしかない。

 

しっかりとこれだ!という時にはフロアに人が集まり、エレクトロニカのなんたるかを共感し合う。

 

ただ逆を言えば、間口が広いくせしてエレクトロニカ好きにはある程度の踏み絵が存在するとも言える。

それでも楽曲単位で何をエレクトロニカとするかはリスナー次第でもあり、僕にもそれは確かに存在する。

 

 

僕がエレクトロニカという言葉と出会ったのは高校生の頃だった。

RadioheadのCDのライナーノーツに

エレクトロニカも取り入れた実験作」

という言葉を見つけ、そこで知った。

 

僕は中学生までビートマニアに没頭していたので、クラブミュージックのジャンルに関してはなんとなく知っていたけれどエレクトロニカというジャンルには聴き馴染みがなかったのを覚えている。

 

そこでなんとなく

「踊るための音楽ではなさそうだ」

と感じ、さらには「実験」というワードに引っ張られてとてもアバンギャルドなものだという印象を勝手に持ち、「怖い…」と思い当時近寄ることをしなかった

 

全く同じ理由で最初ゆらゆら帝国を怖がっていてライブ映像を見るまで聴くことを恐れていた。

また、実はこの頃ムームフジロック で見ていたのだが、それもまたエレクトロニカとしてではなくロックとして好きだった。

 

その後何年も経ち

アパレル雑貨の販売をしていた頃。

副店長だった僕は好きに店内のBGMを決められる立場にあった。耳障りが悪くない程度のロック楽曲を流し、たまに美容室で流れるハウスも流すようになった。

 

そんな折、遅番で僕が出勤すると音楽好きなアルバイトの後輩が選曲して店内BGMを流していた。それこそが今認識するエレクトロニカだった。当時僕が愛好していたUSインディやポストロックの雰囲気もありながら、しかしながら電子音を軸とした音楽だった。

 

僕は恥も外聞もなく、後輩のiPadの音源が欲しいと懇願し、それからというものエレクトロニカ(当時はそれがエレクトロニカだとは気づいていない)を好んで聴くようになったのだった。

 

ほどなくして自分でも同じような音楽を掘っていくことに熱心になる。そうするとそれがエレクトロニカであることがわかった。

Telefon Tel AvivRei Harakami、Opiate

とにかく好きだった…

 

僕の過去と現在のエレクトロニカがここでやっと交わった。

 

僕はエレクトロニカというジャンルに

多方面から近づいては触らず、なんなら少し触っていながらそれに気づかずにいたのだ。

 

のめりこめばこむほど

多岐のエレクトロニカに手を出し

1人でいる時は、エレクトロニカやミニマルなインディミュージックばかりを聴くようになった。

 

外堀から外堀からエレクトロニカを知った自分としてエレクトロニカ電子音楽だけどダンスミュージックではない、なんとも掴みどころのない音楽で、そこもまた愛せる。

 

エレクトロニカは自分の歴史の中でもとても異色な入り方をしたジャンルで、まさかオタク繋がりからエレクトロニカを流せる日がくるなんて…と感慨深い気持ち。

 

また機会あったら頑張ります