ドロヘドロとビレバン男子
仕事やらそれ以外の諸々がカオスに入り乱れたこの1週間。ツイートもブログもアニメも急に見るのも嫌になり、何も考えずに合間の時間はずっとラジオを聴きながらアイドルマスターシャイニーカラーズをして過ごす。これに没頭することで現実逃避していた。
心が完全に無で、何にも心が動かず
ただただアイドルを育ててはその内容に落胆し、ガチャを回し結果に落胆し、クソを漏らし落胆したりとを繰り返した。
そんな中無常に今期もアニメがスタートしていた。ここ1年の僕はすっかりアニメを見る本数も減ってしまい、なかなか観る気持ちになれないでいたのだが、今期は「ドロヘドロ」がついにアニメ化され放送が始まるとのことだ。
鬱屈した気持ちはあるが、
ドロヘドロと聞いて思い出すことがあった
中学卒業目前の頃
誰かと違うものに憧れまくるサブカル男子予備軍ながら、読んでいる漫画は少年ジャンプ・マガジンばかりだった僕に家庭教師の先生が一冊の見慣れない漫画をくれた。
「俺の人生のバイブルだ。気に入ったら続き買って読んでみてくれ」
クサい台詞とともに手渡されたのは
鉄コン筋クリート だった。
サブカル大学生がサブカル男子予備軍に、サブカルの入り口を作った瞬間だった。
拗らせの扉がこの時開いた。
鉄コン筋クリートをかわきりに
僕は松本大洋をはじめとする「サブカルウケ漫画」ばかりに興味を持ち、あまつさえそれこそが至高でそれ以外はダサいとまで思うようになった。
このように、これでもかとこじらせていった学生にこの出会いは必然だったとでも言うように、高校生時代はヴィレッジヴァンガードに入り浸った。テンプレートかのようにビレバンに入り浸った僕は、やはりあの黄色いポップに導かれるままにサブカルウケな漫画達を手に取った。
そこで出会ったのがドロヘドロだった。
その重厚なパッケージと特大コミックという一冊の金額にビビったお小遣い月2000円だった僕にしてみると買うことはできなかったが、ビッグコミックIKKI掲載のマンガ達は僕たちサブカル高校生男子の心を鷲掴みしにしていった。
そして数年が経ち僕は茅ヶ崎へ移り住み、バンド活動に明け暮れ、大学を卒業した。
今思えばもっとこの頃マンガとかゲームとかやっておけばよかったかもな…真面目に音楽ばかりやっていたな
卒業した僕はもう一年茅ヶ崎に住んでいた。
月1回のペースで仲の良い後輩だった若と2人でスーパー銭湯へ行き、その後その若の家でひたすらダラダラして帰るという流れがあった。
そんなある日、
僕は翌日何も予定が無かったのでいつものように若とスーパー銭湯入ったあと、なんの目的も意味もなく泊まることにした。
たぶん寂しかったのだと思う。
ひとしきりくだらない会話に花を咲かせた後に眠りにつく。このくだらない会話の延長に「ピシャーチャ」などが生まれた気がする。
朝起きると
若は1Pプレイのゲームをずっとやっており、また当時はスマホも無かったので本屋へ行くことにした。
「今日はマンガを大人買いして読み、若にも読ませて共通の話題にしよう」
そう思って本屋へ行った。
僕は思い出した。
あの高校生時代に憧れたドロヘドロ
読むのは今なのでは?
その時急に昔の気持ちを思い出し、そこそこな金額で出ている巻まで大人買いだ。
ドロヘドロは、この時若の家でモラトリアムのような時間の中で読みふけった思い出がとてもある。その当時彼と一緒にバンドをやるなんて思いもしなかったが、そんなドロヘドロがアニメ化するっていうのは個人的にしみじみする部分があるということだ。
ドロヘドロのアニメを1話見て
その作り込まれたカオティックな仕上がりに感動し、また作品に忠実な内容に熱くなり、またマンガを読みたくなった。
どこまでアニメ化するのかわからないが、この先も楽しみである。
進めば進むほどわけわかんなくなると思うけど、それすらも再び楽しみたい。
若はコロナウイルスから逃れることができるのか。それも祈りたい。
それが ドロヘドロ