冬に聴きたい音楽って何
どもsuugayuuuuです。
前回おジャ魔女どれみについて熱く語った後で恐縮ですが、本日はまたCDを紹介したいと思います。
最近は来たる3月のライブに向けて時間いただける時に少しずつ練習に励んでいるところではあるんだが、並行して久しぶりにDJのMIXでも録音したいと考えている。
ただ残念なことに家庭の均衡を保てるギリギリのラインで時間を捻出するには卓を触れる時間がかなり限られており、また私は現場数が元々多いタイプでもない上に聴くためのMIXとなるとかなり真面目になるところもあって、最近は仕事の合間などにiPhoneでしこしこMIXを考えたりしている。
「冬に聴きたい感じのMIX」なんて思って
ゆっても東京ではもう冬も終わっちまうか…
まあ仕方ないけども、そんな雰囲気のやつをやりたいと思って色々考えていると
そもそも自分が冬に聴きたい音楽ってなんだ?
なんて思ったりした。
冬に聴きたい音楽。
思い出すのは昔、高校生の頃。
夜にFMでラジオを聴いていると、つるの剛士さんのラジオのCMが流れてきた。つるの剛士さんの番組はジェットストリームの後だったのでなかなか聞くことはなかったけれど、そのCMの内容が
春は〇〇が聴きたくなりますよね
夏は〇〇、秋は〇〇、
冬はやっぱり熱いパンクロック!
※冬以外忘れてしまった…冬はパンクロック!って言ってたことだけ覚えてる。丁度ClashのI Fought the lawがX-trailのcmに使われたりしてた時期でしたね…
こんな内容のセリフが入るんだが
その当時から「冬にロックか…スノボ中ならわかるけど、俺もっと静かでミニマルなのが聴きたいわ…」と思ったことをよく覚えている。
ちなみにリアルタイムで高3の冬はThe StreetsとBright Eyesばかり聞いていて、山梨だとか埼玉だとかに試験で出向いてる間もその二枚と、くるりのアンテナとかばかり聴いていた。
そんでふと、この時期営業中運転しながらふいに聴きたくなったのがこのアルバム
suugayuuuu memorial disk vol.7
artist: Four Tet
title: There Is Love In You
since: 2010
え…このアルバムもう9年前なのか…
ちょっとおそろしくなった。
Four Tetは初期と後期で大分印象が変わるし、今も初期後期問わずどちらも好きだ。
ポストロック出身だけに四つ打ちと真っ向勝負して尖りまくってフォークトロニカというジャンルを広めた「Pause」や「Rounds」も本当最高なんだけど…
元々はこの手のジャンルで最初に知ったのはフジロック03で見たゴールドフラップで、当時まだポストロックもよく知らず、電子音が鳴ってるジャンルは全て「テクノ」だと思っていたんだけど、結局はこじらせるにつれてポップなものを軽んじて陰鬱な空気や独特の世界観を持つ方向へと好みがスライドしていくこととなる。
高校3年にしてThe Velvet Underground、Joy Division、The Smiths、Nirvana、PRML SCRM、Massive Attack…こじらせまくって結果「Radioheadこそ境地」と勝手に思っていた時代…Radioheadがいたから多分今のようにたくさんの音楽ジャンルに手を伸ばせたな…そう思う。
特にFour TetやFlying Lotusなんてまさにそうで、トムヨークがコラボしたりトムヨークが聴いてる、勧めてる。それだけで自分にとってどんな未開発のジャンルでも、当時自分がRadioheadを無理矢理理解しようとして飲み込んできた頃のように聴きあさり、好きになっていったんだからすごいと思う。
90〜00年代の海外のロックシーンはリバイバルの時代と言われていて、50〜80年代までの様々なジャンルにそれぞれ影響をうけた若者たちがそれを咀嚼した音楽を表現した時代だったりして、だからそれぞれのアーティストがジャンルの分布図を少しずつ跨いでくれる。
おかげでそのアーティストを好きな少年もまた、そこから新たなジャンルを聴くきっかけになったりしていくんだから本当に面白い。
Four Tetは正直、フォークトロニカ全盛の頃は全然知らなくて、四つ打ちを取り入れて新しいフェーズに移行した時期にトムヨークの発言で気になって聴き始めた。
2010年に上記のアルバムが発売される頃には初期のフォークトロニカなアルバムも聴いてはいたんだけど、個人的に今でも1番好きでしっくりくるのはこの「There Is Love In You」だと思う。
フォークトロニカの空気感、絶妙なミニマル、どれもほんのり残しながら、ある種禁欲感のあるチャラくない四つ打ち。
もちろんPauseもRoundsも最高のアルバムだけど、色んな紆余曲折がしっかりと出つつちゃんとFour Tetな素晴らしさのあるこのアルバムが今でも大好きです。
エレクトロニカの浮遊感がバッチリハマりながらダンスミュージックとして成立していて、まさにゴリゴリの筋肉質なEDMで踊り狂う人を見て「うわぁ…」と思ってしまう自分に「やっぱこれだわ…」と思わせて我に返してくれる絶妙な丁度良さがある。
たまにする話だが自分がアパレル勤務の頃、会社の決まりで店で流すBGMは自由だが日本語曲はNGという決まりがあり、そのくらいからbgm選びと同時にエレクトロニカばかり聴く時期が続いて、rei harakamiとかそれこそゴールドフラップ、Four tetや蓮沼執太、コーネリアス、The Album Leaf、pantha du prince、teebsとか90年代ロックの柔軟性がロック小僧を結果別ジャンルまで誘ってくれたのだからなんというかありがたみが深い。
冬が寒くて本当によかった
なんていう歌詞がありますが、
冬は寒いのでミニマルで暗い音楽でしっかり死にたくなれるから本当によかった
という気持ちです。
Four tetとMassive Attackを交互に聴こう。