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JOHNNYPARKというバンドでvo、たまにdjやります。現在は新潟在住

僕の人生には事件が起きない

昨日久しぶりにブログを書いた。

 

何に対しても言えることだが、

基本的に世の中は

何かを続けることが美徳とされ、

それは美観云々とはまた関係なく

確かに続けた方が訴求効果も地力もつく

わかっている

 

しかし

僕はとてつもなく飽きっぽい性格だった。

進研ゼミの勧誘漫画に出てくる主人公が

必ずしも母親に言い放たれる

「あんた今まで何やっても続かなかったじゃないの。無理よ」

のまさに典型的なタイプだ。

 

ゲームはやり始めると

短期間で睡眠時間度外視でやりこんで、

ある程度のところで飽きて止めることが多く

色んなことに手をつけては

突き詰めるまでいかずに停滞することが多い。

 

ブログなどまさに現在ではその際たるもので

Twitterで日常を描きながら

目を引く内容の濃いブログを書きたい」

 

などという願望も

自分の飽きっぽい性格にしっかりと阻まれていった。

 

うだうだしている間に

僕を取り巻く環境はなんとなく変化していき、

昨日書いたように

僕にはTwitterで簡易的に呟きたいような日常

というものが無くなっていった。

 

そうやって不貞腐れいたこの頃、

Twitterで見かける記事や芸人さんのラジオなんかを聴いていく中で気になった本が

 

お笑いコンビ、ハライチの岩井勇気さんが小説新潮で連載していたコラムを本にした

 

「僕の人生には事件が起きない」

だった。

 

 

僕は正直小説をあまり読まない。

全く読まない人よりは読むが、

多く読む人よりは読まない。

また普段車移動がほとんどで、家にいてもテレビやスマホを見ていることがほとんどなので小説をゆっくり読むタイミングというのはほとんど無く、滅多に本を読むことはない。

 

逆に、

スマホでコラムやインタビュー記事を読むのはなかなか好きで、興味がある著名人の考えや思想を知ることが好きだったりする。

 

 

ハライチというコンビに関しては

取り立てて強い思い入れは無い。

いつかのM1グランプリで見かけてから

その後バラエティ番組でよく見かけるようになり、とくにツッコミの澤部さんがよくバラエティ番組に出演している印象だった。

それくらいだ。ネタに関する好みにしても、自分の趣味にドンピシャというわけでもなかった。

 

しかし

彼らがスタートしたラジオの噂を聞いた時

なぜだか少し興味を持った。

「ハライチのラジオは

岩井が意外といい仕事してる」

という話だ。

 

岩井さんは風貌や声の雰囲気から

暗いイメージがあり、ひねくれた発言がキャラクターとなっている。

僕はそういったタイプ人の話が基本好きなので、面白いと聞いてはくすぐられてしまい、なんとなく気になってしまった。

 

聞いてみるとハライチのラジオは、

コーナーをパパッと前半にこなして

リスナーと絡み、

その後は澤部さん、岩井さんの順番で

15分ずつフリートークするという流れだった。

若手のコンビのラジオというとコーナー重視でフリートークは2人一緒が基本だと思っていたので新鮮だった。

 

何週間か各々のトークを聴いていると

岩井さんは陰キャと思われがちだが

学生時代はスポーツも勉強も芸術も長けており

友達が少なかったわけでもなかったという

なのにこんなにひねくれている

強いコンプレックスから成り上がった人間ではない。

ということがわかった。

 

勝手ながら自分はそこにかなり感情移入してしまうことになる。

 

岩井さんの話すトークは独特だった。

あくまで日常の中で起こったことを、

とりたてて内容の誇張はせず、そこに介在する思考や派生して思い出すイメージなどで肉付けしていくスタイルだった。

そこに面白さがあった。

 

オチが無い時は平気でウソをつく。

しかしそのウソは

まことしやかな

「盛り」ではなく、

上記のイメージが先行して現実を食いつぶしたような感覚で、それは誰がみてもウソで、

それが笑いになるスタイルだった。

 

実にスマートで、こじんまりとしていて

僕の心に気持ちよく入ってきた。

 

それから僕は

岩井さんの動向を割と見るようになった。

岩井さんはアニメ好きなのも親近感を感じた

またその反面

オタクの持つ謎の村意識から不快感を感じることもあった。

しかしそのあと、

 

「アニメを武器にするためにある時期から1クール2/3作品は見るようにしていて、3話まではほぼ全作見るようにしている」

 

というのを聞いて、

頭の上がらない気持ちになった。

なぜならそれは

僕が上記の性格上やめてしまったことだからだ

 

そんなこんなで岩井さんが出した本ということで、久しぶりに本というものを買った。

合間に読めるように電子書籍で購入した。

 

本の内容には人間岩井勇気

 

「事件がなく、屈折した過去も無く

平凡な環境で育った常識人なのに、周りがダークな印象を押し付ける」

 

と、自己分析完璧なのにしっかりと世間とのズレを体現した素晴らしい内容だった。

やはりこの人はしっかりおかしい。

 

この本の感想や良し悪しに関してはここでは特に問題ない。岩井さんを好きでない限り読む意味はあまりないだろうし、誰にでもオススメな本ではない。

 

ただ、

この作品から強い影響を受けたのは確かだ。

 

この作品では

すべらない話になるような激動の日々は無い

それでも

基本的な日常に自分のイメージを添えて

「話」に昇華することは可能

ということをしっかり提示している。

 

あーー!

これこれ!

 

僕は読みながら感嘆してしまった

不出来な自分にも

「僕がやりたいのってこれでは?」

と思わせてくれたのだ。

ほぼ同い年のお笑い芸人さんに強く啓発されてしまったのだった。

 

このブログを毎日書けるかは不明だが

昼のFMのパーソナリティとはまた違う

日常を自分のイメージでねじ曲げながら

そういう形でなら書きたいことは山ほどあるな

 

そう思っている。

そうすることでまた音楽を作る時に

歌いたいイメージにも近づくと思う。

僕のやりたいことはいつももう誰かがやっているし、ゼロから生み出せるほど才能が無いこともこの10年でよくわかった。

それでも何かを続けていないと多分腐って朽ちてしまうことは自分でもわかるので、模倣やパロディの新しい形を目指してこれからもやっていきたい。

 

 

そんな小さい期待もこめつつ

この後1時間ほど興奮を冷まし

眠りにつこうと思った。